- 42 :名無しさん 12/07/28 01:50 ID:yAZT1sQTli (・∀・)イイ!! (-13)
- ■ロバート・ホワイティングさん(ジャーナリスト)
私は今、パリに滞在しています。春と秋は日本で暮らし、夏と冬は海外で、という生活を30年続け
ています。
パリでも、五輪の話題がメディアをにぎわせています。どんな競技に、どんな環境で育った選手が出
場するのか。4年に一度、五輪の話題で盛り上がるのは、どの国も同じでしょう。
しかし私は「国」が前面に出てくる五輪は、あまり好きじゃありません。私の母国、米国は大リーグ
などプロスポーツの人気が高く、日本に比べて五輪への関心が薄いと言われます。それでも、198
4年ロサンゼルス大会、96年アトランタ大会で「USA、USA!」と叫ぶ観客がたくさんいまし
た。私は「ホスト国なのに失礼な態度だな」と残念に思いました。
国が前面に出てくると、スポーツの真の楽しさが後回しになってしまうような気がします。国別対抗
という魅力を否定はしませんが、国の存在は、もう少し抑制的に扱うべきです。
昔の話ですが、ロサンゼルス大会男子マラソンで、日本期待の瀬古利彦は14位に終わり、テレビの
中継時間内にゴールできなかった。日本人は怒りましたね。なぜ瀬古を見せてくれないのか、と。私
は笑ってしまいました。だって、14位の選手に世界の人たちは興味ないのですから。日本人にとっ
て、当時の五輪新記録で金メダルを獲得したロペス(ポルトガル)より、瀬古が大事だったんでしょ
う。
柔道、競泳、レスリング、女子サッカー――。今回も日本人が見るのは、おそらく日本の有力選手が
出ている競技だけでしょう。放映権料の問題や放送時間の制限もあって、仕方ない事情もあると思い
ます。しかし日本人の成績だけに注目が集まるのでは、スポーツというものを理解していないのでは
ないか、と感じざるをえません。
私は東京大会が開かれた64年、日本にいました。男子マラソンのアベベ(エチオピア)、柔道無差
別級のヘーシンク(オランダ)といった選手を、日本人がリスペクトし、彼らは日本でヒーローにな
りましたね。市川崑が総監督の記録映画「東京オリンピック」も、日本人の活躍だけにフォーカスし
た作品ではありませんでした。日本人は今よりずっと健全な関心を五輪に寄せていたと思います。
ところで、日本人選手はなぜ負けて泣くのですか。武士道の精神ですか。敗者の涙を尊ぶのは日本人
の習慣であり、伝統ではあるのでしょう。
でも世界の多くの国では、負けて泣く日本人選手を不思議に見ています。高校野球と違い、五輪は世
界中が見ています。日本人は感動しているのかもしれませんが、ほかの国の人は「子どもっぽいなぁ」
と笑っています。負けて泣くべきではありません。(聞き手・秋山惣一郎)
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