2 :名無しさん 25/06/01 08:49 ID:_Dymr7.Rk3 (・∀・)イイ!! (2)
 「幽霊」と聞いて多くの人が女性を思い浮かべる背景には、近代以降の怪談文芸と男性霊の扱われ方の違いが大きく影響している。

 明治以降に発展した怪談文芸は、情緒的かつ文学的な怪異の表現を重視した傾向がある。
 例えば泉鏡花は『高野聖』『夜叉ヶ池』などで、幻想的な情景の中に、神秘的で儚げな女性像を幽霊として描き出した。また、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は『怪談』において、日本の伝統的な怪異譚を英語で再話し、西洋に紹介する役割を果たしたが、そこでも女性の幽霊がしばしば中心人物となっている。
 これらの作品群は、幽霊をただの恐怖の対象としてではなく、「哀しみ」や「未練」といった叙情的要素を象徴する存在として描くことが多く、それが女性のイメージと親和性を持っていたといえる。

 一方で男性の霊的存在は、近代以前から、「幽霊」としての側面よりも、「怨霊」や「英霊」として語られることが多かった。歴史上の人物――特に武士や政治家の霊は、その死後に災厄をもたらす存在として恐れられ、御霊信仰や神格化の対象になるケースが目立つ。
 たとえば平将門や崇徳院の霊は、単なる幽霊ではなく、時に祟り神として祀られている。これらの存在は、心霊的ではあるが、「幽霊」よりも「怨霊」あるいは「守護神」など、別のカテゴリで受容されやすい。
 このため、物語や映像表現においても、男性の霊が幽霊として描かれる頻度は相対的に低く、一般大衆のイメージとして定着しにくくなっている。

 近代怪談文芸が幽霊像を「感情の具現化」として描き、それにふさわしい表象として女性を選び続けたこと、そして男性の霊が別の宗教的・文化的枠組みによって処理されてきたことが、「幽霊≒女」というこのアンケートの結果へと連なっているのである。


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