2 :名無しさん 25/11/13 12:17 ID:i720hnjn4B (・∀・)イイ!! (1)
 またお前かは悲しんだ。なぜなら、二十年間で身体のステルス値下げが進み、自宅二階の階段からさえ降りられなくなったからだ。それに気づかなかったことは失策であった。二階が彼にとって永遠のすみかになった。

 今後のことを思案して布団の中を動き回ろうとしたがあまりに狭かった。相当な考えがあると決心したが、何一つとしてうまい考えがある道理はなかった。現実を直視することを避け虚勢を張っていたのである。

 部屋の壁には埃や黴が密生し、瘴気をまき散らした。彼は、パソコンからネット越しに外の世界を眺めることを好んだ。彼は様々な動画やアニメに感動した。しかし、見ていると自分が惨めになるので、目を避けた方がよいことに気づいた。ようやく自分の境遇を自覚した。

 それでいて、目を閉じると悲しかった。彼は自分のことを何の役にも立たないうんこ製造機だと思った。彼は不幸に心をかきむしられていた。それでいて彼はまぶたを開こうとしなかった。目を開いたり閉じたりする自由だけが与えられていた。まぶたを開ければ自分が惨めになる。まぶたの中では際限もなく深淵が広がっていた。

 まぶたを開ければネット越しに現実が襲い掛かってきて、目を閉じれば無限の闇が広がっている。それは自宅警備を極めし者の精神世界そのものである。
 彼は「教えてエロい人……エロくない人……」と、何度も呟いた。


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