| 総合 | ニュース | 文化 | 社会 | 会社職業 | 学問 | 家電 | 政治経済 | 食 | スポーツ | ゲーム | 心と体 | PC等 | ネット | 大人 | 運営 | ネタ | 芸能 | 音楽 | 娯楽 | アニメ | | | きっちり | ひっぱり | クロス | 個別結果 |
ID:5TNzqTvjHq
(・∀・)イイ!! (1)
わたしは青梅。
まだ熟れていないくせに、見た目だけはつやつやと青くて、
手に取った誰かの指先を、うっかり傷つけてしまう。
かじれば舌を痺れさせる毒があるのに、
色だけはみずみずしくて、いかにも美味しそうに見える。
近づいてきた人を、何人も傷つけた。
言葉で切り裂き、沈黙で突き放し、時には殴り、切りつけ。
わたしは、毒そのものだった。
学校へ行くのをやめた。
制服は床に脱ぎ捨てたまま、カーテンも閉め切り、
部屋の中にだけ季節を閉じ込めた。
六月の雨は、音までやさしくて、なのに何も許してはくれない。
窓に沿って落ちる雫。
わたしは梅の木の下に転がる青い果実。
誰にも拾われないように。誰にも食べられないように。
ただ腐って、土に還るのを待つだけの、厄介な実。
何週間か経って、玄関のベルが鳴った。
最初は幻だと思った。次に、また鳴った。
しつこくない、けれど帰らない音。
何日目かに窓から外を見ると、あなたが立っていた。
傘の先から雨粒が落ちて、スカートの裾が少し濡れていた。
休んだわたしを、心配して、何度も来たのだと、
あなたは困ったように笑った。
わたしはあなたを睨みつけ、帰れと叫んだ。
触るな、とも言った。
わたしに触れたら、あなたまで壊れる。
わたしは青梅で、毒がある。誰かを傷つけずにはいられない。
そう言って、突き飛ばした。
なのに、あなたは倒れず、ただ一歩後ろへ下がって、
それから、何もなかったみたいに近づいてきた。
「知ってるよ」
「知ってるわけない」
「知ってる。傷つけたくなっちゃうのも、傷ついてるのも、全部」
怒っていなかった。哀れんでいるふうでもなかった。
雨に濡れたわたしの肩を見つめるみたいに、
ただ、そこにあるものとして受け止めていた。
わたしはなおも暴れて、あなたの腕を叩いた。手のひらが痛んだ。
でも、あなたは逃げなかった。泣きもしなかった。
そっと、わたしを抱きしめた。
| 1 | モリタポ | 24 | |
| 2 | 任意 | 19 | |
| 無視 | 0 | ||
棒グラフまたは左の番号をクリックするとその項目を元にしたしっかりアンケートが作れます。
「任意」の内容、回答頻度、省略された選択肢の全表示、などの詳細表示
合計回答数: 44人 / 43個
このアンケートと年齢、性別、出身都道府県、居住都道府県でのクロス集計を見る Tweet
このアンケートへは現在トラックバックできません。