5 :名無しさん 25/11/29 21:37 ID:BmJNHUF.d6 (・∀・)イイ!! (1)
【ある場所X】の横を、私は自転車を押して通り過ぎる。木々は静かに揺れ、遊歩道の縁に落ち葉が集まっているだけなのに、胸の奥がざわつく。誰もいないはずの物陰から、視線が抜けていくような気がするのだ。足元の影が少し長く伸びるたびに、私は息をひそめる。

【ある場所X】。ひらがなで書くと、いかにも【概念α】が存在しそうに見える。しかし、【概念α】とは何だろう。学校で習ったような相反する人間、あるいは物理的な危険だけではないはずだ。【概念α】とは、私の世界を侵食して私を変えてしまう何か──既知と未知の境界にいる存在の総体かもしれない。たとえば、言葉にされない評価、未来への不安、偶然が仕組む不均衡。【概念α】は外にいるのではなく、私が作り出す像であり、また私にしか見えない幻影でもある。

今年映画化された筒井康隆の小説を読むまでもなく、【概念α】は「他者」の極端な姿だ。他者は関係を生むが、【概念α】は関係を断絶させる。断絶の瞬間、世界は小さくなり、見慣れた公園も試験管の中の標本のように私を試す舞台になる。風が落ち葉を巻き上げると、その音がささやきに聞こえて、私は思わず自転車のペダルを強く踏む。

背後で扉がきしむような音がして、振り返る勇気が出ない。振り返れば、そこに確かな「【概念α】」がいるかもしれない。だが振り返らなければ、私の恐れは確証を得て肥大するだけだ。結局、【概念α】とは確認することでしか凶暴にならないのかもしれない。私は呼吸を整え、公園を見ないふりで距離を取る。足先に伝わるアスファルトの冷たさが、ほんの少しだけ現実に戻してくれた。


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