123 :名無しさん 12/09/30 23:12 ID:c6_u5p4x., (・∀・)イイ!! (2)
本物の病気の鬱病と、適応障害の簡単な見分け方は二つある。
一つは実際に休職させてみることだ。
鬱病の症状は状況に依存しないので休職しても治らない。
一方、適応障害は心理的な負担から逃れることができれば速やかに軽快する。
もう一つの見分け方は抑制の有無だ。
内因性の鬱病は大なり小なり制止症状の出ることが多い。
診察場面で問い掛けても返事に時間がかかり、言動は緩慢で表情も豊かでなくなる。
困っていることを雄弁に語るのは鬱病ではない。
念のため断っておくが、制止がなければ鬱病が否定できるわけではない。
制止があれば間違いなく鬱病と診断できるということだ。

適応障害と甘えを区別することは鬱病と適応障害を見分けることほどすっきりとはいかない。
適応障害と甘えは排他的なものではなく、甘えている人も甘えていない人もなり得る。
非病理的なただの甘えと、適応障害を見分けるには、訴えが常識的に考えて心理的負担と釣り合っているか否かを考えれば良い。
甘えていなくても、死別反応のように、適応障害とは診断せず経過観察する場合もある。

さて、>>28 の繰り返しになるが、近年精神科臨床では ICD や DSM という操作的診断基準が流行している。
これらは診断基準何項目中いくつを満たせば当該疾患と診断するというものだ。
これの問題点は大きく分けて二つある。
一つは、これらの診断基準の疾患分類が妥当とは限らないということ。
元々 ICD は死亡統計のためのものであった。
DSM も治療ではなく研究のためのもであり米国の一部の研究者が話し合って決めたものに過ぎない。
このような分類に従って患者を「診断」ではなく「分類」して、それで適切な治療ができるのか非常に疑わしい。
最近ようやく日本でも DSM の大うつ病性障害の診断基準を満たす患者は単一疾患ではなく、多様な病態が含まれてしまうのではないか、なので、それで研究や治療を行っても成果が上がらないのではないか、という論文が日本精神神経学会の雑誌にも載った。
もう一つの問題は、診断基準の意味を正しく理解しないまま安易に使ってしまう臨床家が多いように思うことだ。
DSM の公式本は、診断基準を完結にまとめた、いわゆるミニ D と、詳しく説明した親本の二種類がある。
ミニ D の序文を読むと、「必ず親本で勉強してから利用すること。初心者は DSM を使ってはならないこと」と断ってある。
しかし実際は、親本を読まず、ミニ D の項目を我流に解釈して誤診を乱造している医者が多いのではないかと懸念する。
このような事情から、特に気分障害の疾患概念が崩壊してしまい、内因性の鬱病と、それ以外の何かが区別できない医者が増えてしまったように思う。


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