10 :名無しさん 24/06/17 20:19 ID:Xqa.xlYfG8 (・∀・)イイ!! (4)
イギリス人の実業家ジョージ・ベックウィズ(40)は、
妻のエリザベート(27)と共にタイタニック号に乗船した。

乗客が救命ボートに避難する際、先に女性や子供が乗せられ、
男性は後回しにされたため、ベックウィズはエリザベートと離れ離れになった。
しかし幸い、彼のボートからは、彼女の乗ったボートが目視で確認できた。

彼女のボートは、彼女の座っている所に向かって、大きく傾いていた。
他の乗客と比べると、エリザベートは著しく肥満している。
彼女を強く愛しているベックウィズから見てさえ、
彼女が原因でボートの重心が偏っていることは、明らかだった。

高い波が来て、ベックウィズのボートは大きく揺れた。
海に振り落とされないよう、船体にしがみついている彼の眼に、
エリザベートのボートが転覆するのが見えた。


妻を失ったベックウィズは、激しく後悔した。
君は太ってもかわいいなあ、などと彼女の全てを肯定し、
彼女の肥満について何もしなかったことを後悔した。

買ったときにはゆったり余裕があったはずのワンピースが、
脂肪の増加に耐えきれず数ヶ月で破れてしまったとき。
お気に入りのレストランの玄関扉に、身体が引っ掛かって通れなくなり、
裏手の搬入口から出入りさせてもらうようになったとき。
思い返せば何度も、痩せるように勧める機会はあったはずだ。

自分と同じように、肥満が原因で悲しむ者を減らすためには、
誰もが、服が破れたり扉が通れなくなったりする前に、
自らの肥満に気付くことができるようになることが望ましい。
そして、そのためには、自らの質量(≒体重)を、
誰もが、簡単かつ客観的に把握できなくてはならない。
ベックウィズは、こう考えるようになった。


当時、一般人が、体重や物の重さを量るためには、
下記画像のような、天秤ばかりの応用品を使わねばならなかった。
https://archive.is/tTBkB/50341e94fc5372b1bec7a3d191363c83dde9412f.jpg
分銅を取り替えたり、目盛り上で分銅の位置を少しずつずらしたりして、
釣り合いを取りながら量る必要があり、それなりに手間がかかる。
荷物輸送などの現場では一般的に使われていたが、
これを使って自分の体重を量る者は稀であった。

もっと手軽に、体重を量れる器具は作れないか。
誰もが、毎日、自分で自分の体重を簡単に量れる世界は創れないか。

ベックウィズは、これまで様々な事業で築いてきた財力と人脈を最大限に生かし、
思いつき限りのあらゆる分野から、役立ちそうな人材を集めた。
物理学者、工学者、生理学者、金属加工職人、秤量研究家、etc……。
彼らは一つの研究チームとなり、ベックウィズの願いを叶えるべく全力で取り組んだ。


タイタニック号沈没の翌年、1913年には、
まず、4ポンド程度(≒1.8kg程度)まで量れる秤が実用化された。
量りたいものを皿に載せるだけで、針がその重量の目盛りを指すタイプである。
https://archive.is/JTqXH/5b03ca8101743459c4a09d4eb10b94e3065c6808.jpg
これにより、例えば火薬の量などを以前よりも簡単に量れるようになり、
その後の全世界的な戦乱への、技術的な道筋の第一歩が示されることとなった。

研究チームはその後も、計量可能重量の拡大に精力的に取り組んだ。
また、体重を量ることは健康状態を量ることと同義であるとされ、
体重計(body weight scale)は、ヘルスメーター(health meter)と呼ばれるようになった。
計量可能重量の増えた新製品が出る度に、それは飛ぶように売れ、
その売り上げがまた研究資金となり、新たな製品を開発する礎となった。

1923年には、600ポンド程度(≒272kg程度)まで量れる体重計が実用化された。
https://tadaup.jp/400ed3dee.jpg
これは、残された写真などから推定された、エリザベートの死去当時の体重であり、
彼女が何度乗っても、壊れることなく、容易に体重を量れるものとされた。
(この画像では、人間が乗る部分の面積を考えると、
 200kg超えの人はそもそも乗れなさそうに見えるが…。)


この時点で、ヘッグウィズの願いを概ね叶えたヘルスメーター事業は、
単独でも充分持続可能なものと判断され、
彼の他の事業からは分離・独立することとなった。
この際、この事業が、タイタニック号沈没という
悲しい事件を出発点としていることを、いつまでも忘れないために、
社名は、「タイタニック」(Taitannic)のアナグラムから「TANITA Inc.」とされた。

現在でも、「TANITA Inc.」は、
ヘルスメーターを始めとする多種多様な健康器具の開発製造販売や、
食堂事業の運営など、全世界で人類の健康のために邁進しており、
日本では「株式会社タニタ」として知られている。

これが、タニタ100年の歴史の始まりである。


主な参考文献
https://tanita.co.uk/
 


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